2023年に1番ダウンロードされたのは「年齢擬態」というアプリだった。
最高で AppStore の辞書カテゴリで11位になっていた。
これがダウンロードされたのはシンプルにマーケティングがたまたまバズったからである。 TikTok でアプリを紹介してみたら、60万回以上再生された。
0.5%程度がダウンロードしてくれたので、これくらいの数字になった。それでも今のところ、合計で2000ダウンロード弱である。1万ダウンロードには達しない
需要があったかどうかは不明だが、面白かった
年齢擬態はマーケティング起因でダウンロードされた。
単純に「年齢を色々設定できる」というウリが、夜職の人を中心に響いたようだ。夜遊びしているナンパ男のために作っていたが、キャバクラの子も複数の誕生日を設定しているらしい。
しかしながら、今冷静に考えると、そんな風に誕生日を複数設定する人間はマイノリティである。普通、人間の誕生日は1つしか存在しない。複数の誕生日を設定するのはろくでもない人間に違いない。私のようにだ。
ユーザーの反応から新たな需要を見つけた
ユーザーとしては、「誕生日を擬態したい」というよりも、誕生日から干支や西暦、和暦をすぐにわかるようにしたい、という需要が多かった。よく考えると当たり前である。誕生日を擬態するよりも、人の誕生日の和暦を知りたいニーズの方が大きいに違いない。
では、このような機能を持つシンプルなアプリを作ってはどうか?競合を調べてみよう。
「誕生日から和暦と干支がわかるアプリ」で作ってみる。
サブタイトルは「誕生日リストと干支和暦年齢早見表」
キーワード「誕生日 和暦」
「何歳だっけ?ホーム画面に年齢表示」が一番最初に出てくる。
761件の評価で 4.6 点。 2017年に作られたアプリで、おそらく Swift ( SwiftUI ではない)で作られている。
500件以上のレビューがある場合、「需要はある」と判断する。
レビュー数は DL5000で多くて 50件程度。つまり、レビュー数の100倍程度はダウンロードされている。
トラッキングメッセージ
何歳だっけ?にアプリとWebサイトのアクティビティの利用を許可しますか?←タイトル
これにより、何歳だっけ?で最適な広告が表示されます。
次に表示されるポップアップで選択してください。
(許可しなくてもアプリの全ての機能は利用可能です)
キーワード「誕生日 管理」
記念日・誕生日管理 GiftReminder が一番に出てくる。2021年に Yukihiro Ogawa さんによって作られた。
かなり作り込まれていて、ここで勝負するのは得策ではない。
UIに多少わかりづらいところはあるが、機能が豊富で相当頑張っている。マテリアルデザインだからFlatterだろうか。
マネタイズ
バナー広告は他のアプリ同様だが、「プレゼント」タブが面白い。
「みんなの欲しい物」という一覧を載せて、Amazon のアフィリエイトのリンクを貼っている。ここでどれくらい売れるのかは不明だが、10000件以上のレビューがあるので、売上があるのかも。
キーワード「誕生日 干支」
こちらも「何歳だっけ?ホーム画面に年齢表示」が多い。競合はこのアプリだけに見える。
「需要があるか?」「競合に満たせていない機能はあるか?」を考えてみる。
リマインダーというカテゴリでは勝負しない
リマインダーになった途端、 Google カレンダーなどが競合になる。リマインドは必要最低限とする。
カレンダーと Push 通知くらいは作ってもいい。「あと 1週間で ○○ さんの ○○ の誕生日です」と通知されたら嬉しい。
干支早見表では勝負しない
干支早見表はそれだけの単一機能のアプリがあるため、作らない。
作る機能
無制限に友達の誕生日を登録できる。なぜなら、「何歳だっけ?」は有料化しないと無制限の登録ができないから。無料でできるようにする。
誕生日の干支、星座、次の誕生日、次の誕生日までの日数、和暦を表示する。曜日も載せてよい。
誕生日は「次」が近い順に並べ替える。
通知する。誕生日にはラベル(すべて、家族、知り合い)をつける。検索できるようにする。
メモ機能をつけておく。
見送る機能
カレンダーで一覧を表示する機能は作らない。
おしゃれにするための BottomSheet は作らず、素直に別画面に遷移させてしまおう。
西暦が不明な場合のケースも作らない。それは「誕生日管理」のアプリでやっているから。
ドラムロールは Android でうまく動かなった経験があるし、複雑になるので TextInput を使ってみる。数字だけ入力する。
機能追加して汎用的なアプリにしたい欲求を抑える
開発しながら「記念日」アプリも作りたくなった。このアプリ自体に機能追加したくなったが、ここでは追加しない。
記念日を設定するなら、記念日管理用の単機能アプリを作るのがよい。
汎用的にせず、特定の用途に特化し続けるように気をつける。